日本の間という考え方

 一つの畳の部屋で、布団を敷けば寝室に、お膳(ちゃぶ台)を出せば食卓に、座布団を出せばリビングに、書斎に、応接間に…。多種多様な変化が可能なように工夫された空間。それが優れた昔ながらの日本の居間のスタイルです。

 
椅子のように各人の居場所としての領域がはっきり区別 されないことで、空間を共有しているという親密感が増し、場がなごみやすい。ごろっと寝転べば随分ゆっくりくつろげるし、その姿は、生活の一場面 として自然であり、見た目の不快感や違和感がありませんし、そしてなぜか落ち着く…。

 まちの設計屋さんでは、くつろぎ方はこれまでと変わらないという現代の日本人の生活の中に大先輩のよき知恵を取りいれながら、現代人の生活にもあった癒される『新和風の住宅』つくりを研究していきたいと思っています。

 
◆マンションの最上階でも…
 マンションの最上階にあるマンションオーナーの住まいの玄関です。正面の収納は造り付けのオリジナル家具です。奥行き65cm以上を有効確保しているので、靴はもちろん、なんでも収納できる様になっています。
 住宅では玄関の収納というのは多いほうが何かと便利ですからね。また、その収納の間をくりぬいたような地窓から、足元を照らす光が差し込み玄関をより広く感じさせる効果をもたらしています。エレベーターはオーナー専用のエレベータです。直接玄関にエレベーターホールを取りこむことで、面積を有効に使う事が出来ます。専用エレベーターでなくても、エレベーターの簡単な操作方法で乗り降り階を規制することができるので、こうしたビルのオーナーの住まいを同じビル内に設けるときはこの手法は可能です。
 またこの住宅は全体としてバリアフリーで設計していますので「段差ナシ」に加えて、この写真に映っているような、靴を脱いだり履いたりする時に腰掛けるベンチなど、生活のしやすさを心がけて設計しています。

◆明るく開放的な空間にも…
 同じくマンションオーナーの住まいの浴室です。トップライトを設けた浴室になっています。直接外壁に面しなくてもトップライトを設ける事によって、プライバシーを保ちながら、明るく開放的な浴室空間になります。また、この浴室は二種類の光源の照明計画をしていますので、シーンによって浴室のムードを変えられるようなデザインをしています。

◆キッチンには少しの工夫をプラス…
 同じくマンションオーナーの住まいのキッチンです。浴室同様にトップライトを設けています。昼間はこのトップライトからの明かりで十分ですので、電気いらずとなります。またこのキッチンとダイニングを結ぶハッチの扉は鉄を多く含んだステンレス製で作っているので、キッチンで良く使うレシピなどがマグネットで貼れるようになっています。

◆和室にもトップライトの効果を与える
 一見シーリングライトに見えるこの部屋の天井中央の照明は、和紙入のアクリルを使用してデザインした明かり天井です。この上部はトップライトとなっており、季節によっては強すぎる太陽の光をこの和紙入のアクリルによって柔らかいやさしい光に変え、室内に取り入れています。日中はこの天井からの光だけで十分に明るく他の照明器具は必要ありません。また、この中に照明器具を仕込んでいますので、日没後や暗い日には、この天井内の照明をつけると、トップライトからの光と同じように、シェードを通 した独特の柔らかい明かりを得ることが出来るようになっています。

◆個室は自分のスタイルに…
 パソコン(MAC)が大好きなご依頼者の方のパソコンルームです。このお家は全体として和を基調なつくりの設計としていますが、このお部屋だけは、ご依頼者の趣味を越えたパソコンへの情熱からご依頼者本人のデザインによって実現しました。棚の高さや奥行き全てご依頼者の方がデザインされました。また写 真右手に映っている畳敷のベンチはクルッとベッドに変化するようになっています。

◆マンションの和室
 マンションの和室の一例です。吊の押し入れの横にある床柱は、以前のお家にあったコクタンの床柱です。このようにマンションの一室にでも、こういった想い出のものがある場合はいろんな形で、新しいお家の中に取り入れることも可能です。

◆以前使われていた家具も調和して
 写真に映っている椅子は、以前から使われていたものを、シートだけ張り替えて新築の家でも使っています。このお家には、たくさんのお客さんが来られるので、ダイニングは、ご家族だけでなく、大勢の人数でも対応できる様に、カウンターとテーブルとどちらででもお食事できるようにしました。和の空間の包容力を取りいれた空間です。

◆長く使っていただけることを考えて
 お施主さまは、まだお若い40代のご夫婦ですが、この部屋は、老後のことを考え設計しました。写 真右手に見える茶室の貴人口のような開口の隣は洗面 化粧室、その隣はキッチン・浴室と水廻りの部屋を回遊できる間取りとなっています。
 もし老後に足などを悪くした場合を考え、生活の場で必要な動線を出来る限り短くした一室をこのような形で設けました。 また、この部屋はリビングの隣にある茶の間なので、現在はリビングの延長の部屋として和のくつろげる空間となっています。
 
◆おもてなしを形にして
 京都に建つ住宅の一室ですが、このお施主さまには東京からよく京都に来られるお客さまがいます。このお家が出来るまでは、いつもそのお客さまにホテルに宿泊してもらっていて、『おもてなし』という点で、お施主さまは気にされていました。そこで、そのお客さまをお迎え出来る空間を住宅にとりいれたいということで、出来あがったのがこの部屋です。
 4.5畳と、決して広いスペースではありませんが、私たちまちの設計屋さんは、迎え入れる側にたって、京都らしさがあり、落ち着きがあり、そしてくつろいでいただける空間にと設計しました。

◆キッチン下は奥様の秘密の場所
 キッチンは、奥様が一番使われる重要な場所です。明るく、使いやすく、そして気持ち良く楽しい気分になるように設計します。また、この現場では、キッチンに床下収納を設け収納スペースをできるだけ多くとれるようにしました。

◆からくりのような工夫も
 階段上部の方で、階段横の収納スペースを利用しやすくする為に、手摺壁にちょっとした細工をしました。 二条陣屋のような、また忍者屋敷のようなちょっとした『からくり』工夫を住宅にとりいれると、とても、使い勝手がよくなったり、活用しにくいスペースが有効に利用できたりします。
  そんな『からくり』のような細工を考えるのもまた、私たち、まちの設計屋さんは大好きです。

◆広さと明るさを感じる階段

 明るい階段にと、階段上部にトップライトを設けて、途中踊り場を挟み、1階から3階までトップライトの光が入る階段にしました。 このトップライトは、南側の強い光が差し込むトップライトではなく、一年を通 して安定してやさしい光が差し込む北側に設けたので、いつでも暖かく明るい階段になりました。
 また、階段横の壁は全て造作の家具にし、住宅で不足しがちな収納スペースを十分に確保しました。


◆壁の色は日本古色…
 京都に建つ屋上テラスのある3階建ての鉄骨造の住宅です。表札のデザインはご主人によるものです。この字の色は『白緑(びゃくろく)』という日本古色です。

◆紅葉の木がこの家のシンボルツリー
 中庭の紅葉の木は、お施主さまの奥様のお父様からのプレゼントで、このお家の計画の中で何よりも早く、植える位 置が決まりました。また向きは、奥様が悩みに悩んで、どこから見ても一番見栄えがいい向きを見つけて決められました。

◆廊下を飾る飾り棚
 廊下を飾る飾り棚(ニッチ)。お施主さんの奥さんはお花の先生で、『草月』と見えるのは、そのお名前です。この飾り棚を始め、このお家は、いろんなところでお花が飾れて、家でお花の発表会もできます。

◆しっとりとした和風なトイレ
 しっとりとした和調のトイレ。清掃しやすい作りにしました。窓際の方にはかけ障子を掛けれるようにし、来客がある時など、トイレにも変化を与えれるようにしています。スケッチはプランの初期段階での検討です。このような形でトイレ一室も、ねっていきます。

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