
つらく悲しい変物語・・・ |
|
|
 |
1998年4月15日午前4時、岩井家では家族みんなが落ち着かず、こんな明け方前の時間だというのに、父も母も、狭い家の中をウロウロしてた。
父は、今までまるっきり気にもしなかったような花瓶を朝4時だというのに磨いてる。
母は、同じく朝の4時だというのに、スカートを何着もだして、それらを着ては脱いでを繰り返している。
おばあちゃんは、ドラマなどでありがちな仏壇の前でお経を唱えてるというベタネタを真面
目にやっている。
こんな言い方をすれば、実際の戦争を経験した人には大変失礼なのだが、戦争に出陣する子を送り出す家庭に似た情景のような気がした。やはりそれは僕自身が、これから出発する先の見えない旅に対して、相当な不安を抱いていたせいなのだろうか。それとも、海外などには、まるっきり縁のない岩井家の人たちならではの、それぞれが勝手にどんどん膨らませた想像によるものだろうか。
とかく異常な朝だった。というより岩井家全体をセットにした岩井家全員参加のコントである。
だけど家族の愛は、多少おかしなカタチではあったが僕にしっかり届いていた。
|